柳玲亭日誌

バーチャル御長寿なお姉さんです。X(旧twi) @naduka_yaohne

懐かしの味を求めて〜人魚の肉を再現する〜

 

珍味【ちんみ】

  • 主として水産物を原料とし、特殊加工により独特の風味を生かし、貯蔵性を与え、再加工を要することなく食用に供せられる食品(陸産物に類似の加工をほどこしたものを含む)
  • 一般の嗜好に適合する文化生活の必需食品である。(by:全珍連)

 

珍味。

それは人々を魅了する不思議な食べ物。

 

珍味。

別にそれは何故か、食べてみたいと思わせる魅力的な食べ物。

 

世界ならトリュフ・フォアグラ・キャビア

(初っ端から2つが水産物じゃないけれど陸産物OKだし、全珍連は日本の団体だから大目に見て欲しい)

 

日本ならからすみ(ボラの卵)・このわた(ナマコの腸の塩漬け)・うに(うに)

 

そして珍味オブ珍味なら……

ドラゴン・マンドゴラ・人魚

え、人魚?

そう、人魚っ!!!!

 

Q 人魚の肉って美味しいの?

A 人魚の肉は……人魚の肉ってやつは…

 

むちゃくちゃ美味しいっ!!!

たとえ身体に悪いと言われようが食べたい!!

お願い!インターネッツ!!

私に人魚の肉を食べさせて!!

 

(楽〇市場)
食べたい食べたい

 

高橋留美子先生の人魚シリーズはおすすめです)

 

食べたい食べたい食べたい

 

 

食べたい!!食べたい!!食べた……

 

 

 

え?もしかして人魚の肉って売ってない……??

天下の楽◯市場様やAmaz◯n様でもご手配できない……??

 

 

エバラ食品公式サイトより)

https://www.ebarafoods.com/recipe/detail/recipe3271.php

ドラゴン焼き肉はあるのに??

 

 

 

手に入らないならば再現するしかない。

え? お前は人魚の味を知っているのかって?

任せて欲しい。ちゃんと食べたことあるから。

だって私は……

 

人魚の肉を食べたバーチャルご長寿お姉さんだから!!

 

 

 

柳の下からこんにちは。

バーチャルご長寿お姉さんこと名束やおね(なづか やおね)だよ。

普段は『柳玲亭(りゅうれいてい)』と言うお店で人間や人間じゃないモノたちの相手をしています。

 

ところで皆さん、長命種に憧れていませんか?

もしくは、まだ知らない珍味を求めていませんか?

そんな貴方にピッタリの食材!!

それはもちろん……

 

人魚の肉!!!!

 

ひとくち食べればあら不思議。

今日からあなたも憧れの長命種(不老長寿)の仲間入り。しかも美味しいときた!!

これは流行る。絶対にバズる。

 

まぁ、世の中に出回っていればの話だけどね。

 

冒頭でも騒いだ通り、残念ながら人魚の肉は現代社会では手に入れる事ができない。

けど、私のように『ふと』食べたくなってしまったヒトはどうすればいいのか?

人魚の肉は美味しい。

あの美味しさを画面の前のキミたちにも味わってもらいたい。

なので……

 

人魚の肉の味を現代で用意できるもので再現してみよう!!

 

ちなみに私が口にしたのは遠い昔なのでもちろん味は忘れています(大の字)。

なのでインターネッツで得た知恵と勘とこの舌で味を再現していく。

でも安心して欲しい。

必ずや人魚の肉の味を作り上げて見せる。

 

 

●まず、人魚の肉ってどっちのことを指すの??

どっちって? もちろん『上』か『下』かだよ。

記憶を遡れば私が食べた時には人魚は既に切り身か塊肉だった。

だからどっちを食べたのか分からない。

人魚といえば、女性の頭と上半身+魚の尾を持っている。

ということは、必然的に食べる部分は人の部分か魚の部分のどちらかになる。

 

どっちを食べるのが主流なのだろうか……?

(やり方によってはこの記事は世間に出せなくなってしまう)

 

悩んだ時はとりあえず誰かに意見を聞くのがいい。

私達にはいつだって話しを聞いてくれる『誰か』がいる。

と、言うことで最近流行りのAIくんに聞いてみようと思う。

(別に友達がいないとかではない)

う〜ん、曖昧っ!!

しかも後半は鳥とか竜とか言ってるぞ……。

とりあえず、地域や文化によって人魚の見た目は異なるってことでいいだろう。

 

西洋で人魚といえば

コレ。

 

そして↑の人魚のモデルと言えばそう

 

ジュゴン(大変可愛い)

 

私たちが思い浮かべている人魚像とは似ても似つかないけれども、人魚のモデルといえばジュゴンと太古から決まっているのだ。

最初はジュゴンの肉を取り寄せて食べる食レポ記事にしようと思ったが、ジュゴン絶滅危惧種だったので諦めた。(さすがに密猟者にはなりたくない)

もちろん楽天〇場様やAmaz〇n様では取り扱っていなかった……。

 

しかし、これはあくまで西洋のイメージ!!

ここはどこですか?

そう、日本です。

 

みせてあげよう……。

ジャパニーズ人魚ってやつを!!

 

ドンッ!!

 

 

\\これがジャパニーズマーメイドだ//

(瓦版 人魚図より)

https://www.waseda.jp/enpaku/collection/3170/

 

ハイ。ほぼ魚。90%くらい魚。 

鬼+魚でもはや『鬼魚』だけれどこれがジャパニーズ人魚です。

ちなみに越中国(現富山県)で打ち上げられました。私もその現場を見ていたから間違いない。

 

ということは再現すべきは魚としての人魚の味に決定!!

お味はどうだっけとインターネッツの海をさ迷っていたら、このタイプの人魚の肉は鯉に似ているらしい。何故?

 

じゃぁ、鯉を食べればいいんじゃないかって?

残念ながら私の住んでいる地域では「鯉を食べようっ!!」と思ってもすぐに手に入らない。

近くの池で泳いでいる鯉を捌こうものなら、明日からご近所でのあだ名は『コイ泥棒』だ。

 

……。

 

さて、魚には赤身魚白身魚がある。

ヒラメや鮭のような速筋(そっきん)(※偉い人の隣りにいる人ではない)が発達している白身魚。反射神経に優れている。

 

マグロやカツオのような遅筋(ちきん)(※鶏肉ではない)が発達している赤身魚。長距離等を移動する持久力に優れている。

 

ちなみに、鮭は身が赤いけど白身魚という豆知識は一生に1度は使うかもしれないから、この記事のことは忘れても覚えておこうね。

 

Q じゃぁ鯉はどっちなのか?

A  鯉は赤身魚にはと白身魚の中間の存在です。

なんかすごくない?

 

ということで、赤身魚白身魚ブレンドしたもので人魚の肉を再現していこうと思う。

肝心の赤身と白身の割合だが、ここはジュゴンの性質を参考にして決めたい。(都合がいいとか言わない)

ジュゴンはそこまで瞬発力はなく、長距離を回遊する生物である。

つまり、魚で考えると赤身の割合が強そうだ。

なので今回は赤身:白身=7:3くらいの割合でブレンドしていこうと思う。

 

 

●柳玲亭流!! 人魚の肉の作り方

 

【材料】

・お好きな赤身魚(今回はマグロ)

・お好きな白身魚(本当はサーモンが好きだけど色味を考えてタイ)

 

たったこれだけ!!

 

 

(2割引とお財布にも優しい)

(浜から直送なのも新鮮っぽくていいね)

 

 

先ほど書いた通り、赤身を多めにするため赤身:白身=7:3の割合で作るため刺身を分ける。

マグロはサクしか手に入らなかったので自分で切りました。

いつも綺麗な刺身を提供してくれる魚屋さんに泣いて感謝しようと思います。

(素人が最初から綺麗に切れるわけがない)

 

 

 

まずマグロを叩きにしていく

 

 

 

なんとなく不公平かなと思ってマグロのなかに入っていたスジを全て取り除いた。

(スジ……多くない??)

 

 

 

次にタイ

 

 

マグロよりもうまく叩かれてくれなかった。

これが筋肉の違い……!!

(ほんのりピンク色でかわいい)

 

準備完了っ!!

に分かれて綺麗だ。

 

 

そしてマグロとタイを混ぜて……

 

 

形を整えれば……

 

 

\完成/

お手軽人魚の肉!!

魚100%なのに、なかなか肉っぽい見た目に仕上がってしまって動揺を隠せない……。

 

これは本当に人魚の肉になってしまったかもしれない。

 

●実食!!

赤身力(あかみぢから)が強いのか、ねっとりとした食感が口のなかにわりと残り続ける。

とりあえずユッケとは違う食感なので少し安心した。

刺身10切れしかないのに想像以上に量ができてしまい、食べ切れるか不安だったけれど、案外いけ――

 

生臭っ!!

 

(画像はイメージです)

 

え、すごい生臭いっ!!

 

いけるかもと思った瞬間、強烈な魚独特の生臭さに襲われる。

飲み込んでも口内に残る生臭さに負け、食欲が圧倒的に落ちる。

とてもじゃないけれど食べ進めることができない……。

これが人魚の肉??

いや、違う。

私が食べた肉はもっと美味しくて秒でペロリだった。

 

こんなのは……

こんなのは人魚の肉じゃないっ!!

人魚の肉っていうのはもっと臭みがなくて、

ねっとりとしていて……

 

 

こう、なんかさぁ……

 

 

(ネギ)

 

生臭さがなくてさぁ……

 

 

 

(ネギ+生姜+味噌)

 

味ももう少し甘みがあって、深みがあってさぁ……

 

 

 

 

 

 

 

こんなんだったのよっ!!

 

見た目もこんな感じでさぁ!!

まるで人魚が自ら食用にしてお出ししてくれたみたいな感じだった(はず)。

でもね、作りながら気づいたんです。

正直に言うと最初のマグロとタイを叩いてる時点でうっすら思ってたんです。

 

なんということでしょう。

人魚の肉の味を再現していたら、まごうと事なきなめろうができてしまいました。

(魚の生臭さを回避するために投入したネギがいい感じに脂身を演出しているのが憎い)

 

普通に美味しそう……。

早速実食タイムといこう。

 

「それじゃぁ、いただきま――」

こんばんはー。いい匂いがしたからお邪魔しちゃいました」

「あれ? ご近所さんじゃないですか。どうぞどうぞ」

 

と、いうわけで突然やってきたご近所さんと一緒に日本酒を飲みながらいただきます。

※深夜1時

 

生臭さが消えていて美味しい!!味噌が赤身と白身を繋げる役目をしてくれているのか粘り気も増してるから舌触りが全然違う。良くなってる」

「本当に。味噌のおかげで魚の甘みが引き立っていて日本酒とあうわ〜」

 

ご近所さんも大満足のようだ。

 

 

え?

急に出てきた左の赤い物体はなんだって?

「よかったら食べてね」

 

ご近所さんが持ってきてくれたよく分からない食べ物だよ。

 

ツヤツヤしているけれど、ねっとりとしている。

食べると意外と滑らかな舌触りでほのかに甘い。

遠い昔に食べたことがあるような、そんな懐かしい味。

 

「ところで、これは一体何ですか?なんか遠い昔に食べた気がするけど……」

「アナタが食べたがっていたものよ。昔も一緒に食べたじゃない!!」

「な、なるほど〜〜」

「美味しなめろうをありがとう!!それじゃ、私は海に帰るから。また数百年後ね!!」

 

 

そう言ってご近所さんは自分の分のなめろうを平らげると海の方へと歩いていった。

暗闇に消えていくご近所さんを見送るなか、彼女の足に包帯が巻かれていたことは当分の間忘れることはない。

 

そう、人魚は身近にいたのである。

しかも私を喜ばせるためにアン◯ンマンのように自分の身を削ってくれたのだ。

ありがとうご近所に住んでいた人魚さん。

さっきほぼ90%魚って言ってごめんね。

画面の前の皆さん。現代に生きる人魚は完璧に人の見た目をしてますよ。 

 

まぁ、

 

水に入ったらどうなるかは知らんけど。

 

 

 

完っ!!!!

 

 

ちなみに食べきれなかった紅白なめろうは責任持ってハンバーグ的なものにして翌日美味しくいただきました。

赤身と白身の舌触りの違いが面白かったので是非作ってみてね。

 

なお、このレシピで本当に不老長寿になってしまった場合は責任を持ちませんが、なった人は面白いので柳玲亭に遊びに来てください。

 

柳の下でお待ちしています。

 

 

(本当に終わり)